鉋のQ&A
小山金属工業所

Q 小山金属の鉋の特徴は?

A 最高の鋼と地金を使い低温で鍛接、鍛造(火作り)行い、窒素ガスパー
  ジ球状化焼鈍後、焼入れ焼戻しを行います。
  結果、研ぎ易く長切れする鉋を造っております。


Q 平鉋 松風と天匠の違いは?

A どちらも高純度炭素鋼にタングステンとクロムを配合した青紙を使用。
  地金には最高品質の錬鉄(ジョストン)を使用。
  焼入れは1枚ずつトノコ(焼場土)を塗り、最高の温度管理と技術で水焼
  入れ後、焼戻しを行っております。
  松風は古式鍛錬法を生かした火作りを行い、鉋台は共につつみ仕様
  になっております。
  

Q 平鉋 播磨王、龍、福龍の特徴は?

A 鋼は最高品質の青紙、地金は炭素0.05%以下の極軟鋼を使用。
  低温で鍛接、鍛造(火作り)行い、最高の焼入れを行っておりますの
  で、実用度No.1コストバリューの商品です。


Q 鉋の地金は?

A 当社、鉋の天匠、松風は錬鉄の中でも介在物が適量で均一な分布の
  シマが少ない錬鉄(ジョストン)I形鋼中板を中心に使っておりますので
  最高の地金です。
  小鉋、細工鉋などは極軟鋼を使用。


Q 鉋の鋼は?

A 本職用鉋の鋼は全て青紙を使用します。
  これは、高純度の炭素鋼にタングステンやクロムを添加して焼入れ性
  や耐磨耗性を良くして、長切れします。
  DIY用は炭素鋼を使います。
  これは、研ぎ易い鋼です。


Q 本職用鉋は青紙の鋼、鑿は白紙が良いと聞きますがどうして?

A 鉋は木の表面を擦りながら削りますので、特に耐磨耗性が必要です。
  この為にタングステンの入った青紙を使います。
  もう1つは厚い刃でもクロムが入っているので、焼きが入り易いのです。
  一方、鑿は刃で木材を切っていきますので、耐磨耗性も大切ですが良
  く切れる刃が付き易いのが大切で、不純物が少ない純粋な白紙を使う
  わけです。
  また、削ろう会など切れ味を出す為に、研ぎ易い白紙の鉋も使われる
  のです。


Q 鉋の硬さは?

A 本職用でHRC66〜67、DIY用でHRC63〜65。


Q 鉋を効率良く研ぐには?

A 電着のダイヤモンド砥石#300で荒研ぎをして、仕上げ砥石をこの電着
  ダイヤで面直しを行い、平らな仕上げ砥石で研ぐことで能率良く刃研ぎ
  ができます。
  #150から#300、#800とシリーズ化しております。


Q 色んな成分が入ったものでどのような割合でどんなものが入っているの
  か?もっと知りたいです。
  (2006三木金物まつりに平行して行われた金物大学受講生の方からの
  質問です。原文のまま記載します。)

A 地鉄は、鉄(Fe)の純度が高く、炭素(C)0.07%以下が軟らかくて良い
  地鉄になります。
  鑿の鋼は、主に白紙2号を使います。純度の高い鉄(Fe)に炭素(C)を
  1.1%〜1.2%入れます。刃研ぎがしやすい鋼です。
  鉋用の鋼は、青紙1号などを使います。純度の高い鉄(Fe)に炭素(C)
  を1.3%〜1.4% クロム(Cr)0.3%〜0.5% タングステン(W)を1.5%〜
  2%入れます。
  講座でも少し話しましたが、炭素(C)が0.8%で共折鋼、0.2%〜0.8%で
  は、炭素(C)が多いほど焼入が硬く入ります。0.8%以上だとセメンタイ
  ト(Fe3C)ができ耐磨耗性が向上します。これを一般に炭素鋼と言い、
  白紙にあたります。これにクロム(Cr)とタングステン(W)を加えたのが
  青紙(合金工具鋼)で、クロム(Cr)が焼入性と耐摩耗、タングステン
  (W)が耐摩耗と耐熱性が向上します。
  鉋のようなこすれながら削っていく刃物は、特に耐摩耗性と耐熱性を上
  げる為にタングステン(W)を入れ、鉋は厚いので焼入れ性を上げる為
  クロム(Cr)を入れます。
  最近、削ろう会などでは、耐久力より刃研ぎのしやすい白紙を使った鉋
  もあります。